土木評ニュース No.23

2007年10月26日

 

 2007年7月30日 土木評 監理課・技術管理課 課長交渉 

 

現場の品質確保が私たちの仕事だ!

入札改革がもたらす業務改変に対応した執行体制づくりを要求

〜関与する全職員への周知徹底と今後の対応について

具体的な説明と低入札における職員の業務改善を強く要求〜

(土木関係職場組合員 全員配布)


 

土木評は、2007年7月30日、監理課・技術管理課長交渉を行った。

 

冒頭、森岡土木評議会会長は、「土木評が求めるものは、職員が将来像を掲げることのできる働きやすい職場づくりであり、それには現場の生の声を聞いて欲しい。また、声が出せる場を十分提供していただきたい。」と、あいさつ。

 

計画的な職員配置・採用を!

級昇任・ポスト増に努力を!

 

 引き続き、具体的な要求に入り、

公共事業を取り巻く環境の変化に伴う執行事務の複雑化・厳密化は今後も予想されることから、引き続き人員増を要求。また、現在のいびつな年齢構成が処遇・業務に及ぼす影響は計り知れないことを訴え、将来展望にたった計画的な職員採用を要求。現在の監理課当局の考えを求めた。さらに、諸手当の新設・改善と、既存手当の積極的な活用が図れる体制の強化を要求。職種間の処遇の格差是正については、格差により、閉塞感や志気・サービスの低下に繋がらないよう、級昇任(6級)やポスト増を強く要求した。

 

職員が理解できる見直し改変を!

安全・安心に働ける職場づくりを!

 

執行事務の見直し改変は、よく現状認識し、制度の形骸化や技術職員不要論とならぬよう十分検討・説明した上で実施するよう要求。現場で生の声が出せる労働安全衛生委員会などの活用を強化すること、職員の欠員に係るサポート体制などを要求。さらに、時間外労働の削減は、当局がリーダーシップをとり、職員の意識改革や改善方策を提案するよう要求。

 

これに対し、監理課長は、

○今の年齢構成が望ましい形ではないとの問題意識は持っている。勧奨退職や再任用制度の活用によって平準化していきたい。

手当は著しく危険、不快といった業務の特殊性や困難性、また他県の状況、県民の理解を考えると、新設は困難な状況にあることをご理解いただきたい。

課長級ポストは、組織上の必要性を検討した上で、確保に努めており、引き続き努力したい。

必要に応じ臨時職員の雇用、民間の活用などによって、職員に過度の負担がかからないようにしたい。育休については、これまでどおりケースバイケースできめ細かく対応したい

時間外については、地道に取り組む以外にない。特に管理職の意識改革は重要であると考えている。特定の班、職員に集中することのないように指導したい。

 

 

企画調査室の在り方について、  今後の在り方を周知徹底すること!

 

○現在、3つの職場の企画調査室の後任が配置されていない状況にあるが、今後どのように考えているのか、これまでの業務をどのように減らすのか?具体的な考えを説明してほしい。

 

これに対し、監理課長は、

企画調査室は効率的かつ適切に事業を行う上で必要な組織と認識している。3つの土木で後任が配置されていないが、このうち防府土木については、所管区域と事業量の減少により削減された。萩と周南土木については、予想以上に定年前の退職者が多く出たため、採用者数と退職者数の関係から、結果として欠員となった。今後も企画調査室の機能が適切に発揮できるように対応したい。

 

入札改革の今後について!

低入札に対する体制づくり

について!

 

今の出先の体制では、もはや限界が来ている。早急に、これらに対応すべき体制づくりが必要であり、事務手続きの簡素化、職員の増など、具体的な対策案を聞かせていだだきたい。

今後、低入札が増加することも予想される。その結果、現場立会の回数が増える為、職員の業務量も増えることになるが、その対策案等を検討しているのか?重点工事となった場合、事務的、技術的な指導にかなりの業務が発生することは明白であり、一部の職員に過度な負担が掛からないようにすることが重要である。今後の監督体制等について、具体的な考えを聞かせてもらいたい。

 

これに対し、技術管理課長は、

公共調達を巡る他県での一連の不祥事を受け、昨年、全国知事会において「公共調達改革に関する指針」が示され、山口県においても、県政集中改革の主要課題に位置づけ、全庁を挙げて取り組むことになった。入札制度改革は、競争性・透明性・公正性を高めるために、避けて通れない課題であり、職員への周知については6/29に説明会を開催した。業界においては、7/18,7/19の午前・午後に計4回行っている。皆さんからの意見も遠慮なく言ってもらいたい。説明会も決して十分とは思っていないので、必要であれば担当者の研修会を行いたいと考えている。

これまでは1億以上の工事で事前審査方式を採用していたが、そのまま、これを適用すると大変な業務になるため、180度転換して、事後審査方式とした。故に1番低い人だけの審査で済む。

仕様書等は来年度よりインターネットで電子配付するようにしたい。電子入札も紙と併用しており、これでは改善にならないので、業界には平成21年度より紙入札を認めないと打ち出している。業界への意識啓発も含めて改善していきたいと考えている。

この4月から、低入札調査制度でこれまでブラックボックスだった、判断基準をオープンにした。1%の撤廃も公表した。

この調査制度は、下請けへのしわ寄せ、安全対策等のチェックを行う。このチェックは技術屋としての責務である。低入札は、「土木工事監督技術基準」により重点監督工事となり、職員は現場に拘束される。現場を技術屋が見て、しっかり工事を履行している体制が取れていること確認できればいい。重点監督工事を一般監督工事にしてもいいと思う。一般監督工事に移す判断については、一緒に考えて行きたい。砂防堰堤では、1ロット毎に確認する必要がある、これも同様に基準を変えてもいいと思う。

 

          と、回答した。

 

 

 

 

一人ひとりが声を出そう!

 

土木評議会は、土木建築部で仕事をする職員が、障害となるもの、改善すべきものを当局に要求していく組織です。

昨今は、様々な多様で複雑な業務を求められています。

現場に行き、後世にも安全に残せる社会資本の整備を行うための監督やこれまでに整備された社会資本の適切な管理ではないでしょうか。(土木技術職倫理規定より)

 

こんな議論をしませんか!

現場から帰ると暑いからクーラーの温度設定を見直してよ!」

こんな要求も大事ですが、自分たちの将来のために、こんな議論をしませんか!

 

★例1

「低入札があり、重点監督になった。2回現場に出かけたが、安全面、下請けの体制も問題ないことが確認できた。業者も中間検査が増え、工程が遅れることに対し、不満感を持っている。問題のなさそうな現場については一般監督に切り替えたいが、その時期と基準について協議したい。」

 

★例2

「現場に行く時間のためにも、事務的な処理の時間短縮を行いたい。全ての通達、マニュアル等を電子化して、漏れなく、素早く検索が出来るようにして欲しい。」

 

★例3

「設計書作成に多大な時間を要している。基準日が変われば単価等も見直す必要がある。設計書の単価は、年1回の改訂では問題があるのか?問題であれば1割以上の大きな単価変動が生じたものだけ改訂するといった考えはどうか。

現場に行く時間を作るためにも、見直しを考えて欲しい。」

 

重視すべき業務を鮮明にすることで、そこから業務のスクラップ&ビルトと言う議論にもつながります。ビルトが多く、デスクワークばかりが増えていませんか?

自分たちの仕事に、もっと、こだわって考えてはいかがでしょうか。いや、こだわるべきです。そのための議論をしませんか?

土木評の幹事だけで解決できるものではありません。

是非、皆さんの力が必要です。

一人ひとりが声を出し、コミュニケーションをとり、積極的に議論しましょう!

 

それが土木評の使命です。

 

 

1.土木建築部の10年後

 

2.職員の推移予想

3.担当あたりの事業費の移行